オスラー病と目の症状

私は、今まで「目から出血した」ため眼科を受診し、「そんなことがあるはずがない」と眼科医に言われた(怒られた)オスラー病の患者さんを二人診察したことがあります.お二人とも下眼瞼の内側に毛細血管拡張病変があり、そこからの出血していました.眼瞼を少し反転して観察すれば、すぐに見つかる病変でした.のどから出血した別のオスラー病の患者さんも、そんなはずがない、と主治医に言われましたが、口を大きく開けてもらい、喉の奥を覗くと咽頭に毛細血管拡張病変がありました.これらのことから、私は患者さんの言うことにきちんと耳を傾けることが重要だと、肝に命じています.

今回、あるオスラー患者さんから、眼底に何か(病変が)あると近医の眼科医に言われましたが、オスラー病と関係あるのでしょうか?と質問され、上記の眼瞼結膜の出血は知っているけれども、眼底の病変はよく知りません、また調べておきます、と返事しました.やっぱり知らないことはたくさんあり、眼底病変を含め、頻度は低いものの、オスラー病に関連する病変があるようで、この際、まとめてみることにしました.当然のことながら、オスラー病で無い患者さんに起こる眼科疾患がオスラー病患者さんに起こっても、不思議ではありません.白内障や緑内障などはそれに該当します[7].

1.毛細血管拡張病変(conjunctival telangiectasia)

毛細血管拡張病変が眼瞼にあり、そこから出血する.大阪市立総合医療センターの患者さんでは200人中二人ですから、積極的に眼瞼を観察しない場合は、1%の頻度でオスラー病患者さんにこの病変がありました.しかし、オスラー病を意識して検査をすれば、47人中の20人に毛細血管拡張病変があり、一人に眼底の血管病変が見つかりました [2].また別の報告では、20人を検査して、7人に毛細血管拡張病変があり、二人に眼底の血管病変が見つかりました [3].オスラー病の眼病変では毛細血管拡張病変が、最も高頻度とされています [3,4].

2.眼底の血管奇形病変

眼底の血管奇形は非常に珍しく、頻度は低く、過去4例とされています[1,2,3].これらの症例は治療過程で、失明にはなっていません.またエンドグリンの遺伝子変異(エンドグリン欠損)を人工的に作ったマウスの網膜に動静脈奇形が形成されました [5].同じメカニズムだと思います.

3. 眼窩内の動静脈奇形

眼窩内の動静脈奇形が、自然に血栓化したため、ステロイドと眼圧を下げる点眼薬で治療を行なったという症例報告があります[6].オスラー病患者さんの眼窩内の動静脈奇形は、オスラー病でない患者さんの症状と変わりはなく、眼球突出、眼圧上昇、結膜浮腫でした.

文献

1. Davis DG, Smith JL. Retinal involvement in hereditary hemorrhagic telangiectasia. Arch Ophthalmol. 85:618–621, 1971

2. Vase I, Vase P. Ocular lesions in hereditary haemorrhagic telangiectasia. Acta Ophthalmol (Copenh) 57:1084–1090, 1979

3. Brant AM, Schachat AP, White RI. Ocular manifestations in hereditary hemorrhagic telangiectasia (Rendu-Osler-Weber disease) Am J Ophthalmol. 107:642–646, 1989

4. Geisthoff UW, Hille K, Ruprecht KW, et al. Prevalence of ocular manifestations in hereditary hemorrhagic telangiectasia. Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 245:1141–1144, 2007

5. Mahmoud M, Allinson KR, Zhai Z, et al: Pathogenesis of arteriovenous malformations in the absence of endoglin. Cir Res 106:1425-1433, 2010

6. Van Went C, Ozanne A, Saliou G, et al: Spontaneous thrombosis of an orbital arteriovenous malformation revealing hereditary haemorrhagic telangiectasia (Rendu-Osler-Weber disease). A case report. Interv Neuroradiol 17:466-471, 2011

7. Kuchtey RW, Naratadam GT, Kuchtey J: Severe open angle glaucoma in hereditary hemorrhagec telangiectasia. Clin Case Reports 3:725-727, 2015

■大阪市立総合医療センター小宮山雅樹先生ホームページより引用させて頂きました。

http://www.komiyama.me/Kodomo/HHT__Eye.html

HHT

新着情報・オスラー病と妊娠についてのリーフレット

新着情報です。
本会にご質問が有りますオスラー病と妊娠について、「英国の有名なShovlin先生」が書かれたものを許可を得て訳していただきました。
ホームページのトップページから「オスラー病と妊娠についてのリーフレット」をダウンロードできるようにしました。
特定非営利活動法人日本オスラー病患者会 村上匡寬

医療施設情報更新と近畿地区での交流会

■医療情報を更新しました。
 1.大阪医科大学
 2.高知大学
■近畿地区で28年3月交流会を予定しています。
 詳細はホームページにて掲載します。
患者同士が様々な情報交換や気楽な話し合いができ、同じ悩みを話し合うことで、心のケアをできればと思います。

オスラー病の遺伝子検査について

特定非営利活動法人日本オスラー病患者会のホームページに訪問された方やネット検索で、とりあえず「遺伝子検査」を受ければ診断できると思われる方がおられますが、医学的にも以下のように全てが解るわけでなく、あくまでも治療を行うための一部に遺伝子の検査が有ることをご理解ください。

遺伝子検査で、endoglin/ALK1/SMAD4に変異が認められれば、オスラー病は確定ですが、10ー15%の方は、臨床的にオスラー病がはっきりしていても、遺伝子変異は検出されません。つまりオスラー病なのに、遺伝子検査では診断できないということです。

遺伝子検査は、診断・治療の一環・一部です.遺伝子検査が可能な施設が、限られることもあり、きちんとオスラー病を診てくれる病院で、診察を受けるのが、第一歩です。

オスラー病に伴う肺高血圧症についてお尋ね

前回の患者会におきまして、肺高血圧症についての質問が以前より多くなってきました。

患者会としまして、肺高血圧症の、情報収集と質問などにつきまして、募集したいと思います。

募集方法は、メール・FAX・郵便でお願いします。

会といたしまして、調査・研究のうえ回答可能なものはホームページ上に掲載いたします。

会長 村上匡寛

第4回オスラー病患者会in大阪2015「議事録」

【第4回オスラー病患者会in大阪2015「議事録」】  

開催日時 : 2015年6月14日(日)10:00~

会場   : 大阪市立総合医療センター 三階 大会議室

主催   : オスラー病患者会 会長 村上匡寛 
関東事務局長 松岡昇 九州支部 谷口誠

同時開催 : HHT JAPAN 2015 @ さくらホール

協力   : 『HHT JAPAN(日本HHT研究会)』
       小宮山雅樹先生(大阪市立総合医療センター脳神経センター部長)
       石黒友也先生(大阪市立総合医療センター脳血管内治療科)
       森崎裕子先生(国立循環器病研究センター研究所分子生物学部)
       西田武生先生(市立堺病院神経外科医医長)
       Dr. Michelle Letarte(トロント大学)

参加人数 : (46名)

議案

1)NPO法人化について
・村上会長より6月1日に大阪市役所市民局にて「特定非営利活動法人日本オスラー病患者会」設立申請書類が収受された旨を報告
・正式な公認はおそらく本年10月頃になると思われる
・先日発表された小児特定疾患に認定されたオスラー病が血液疾患に分類されており、本来必要な塞栓術に対しての補助が対象外になる可能制が判明し、小宮山先生や村上代表が周囲に働きかけた結果、速やかに訂正されました。
今後も患者会・HHT JAPANとの連帯を強くし「物言う」組織にしていきたいと思います。
・会費、年会費などは他団体の取り組みを参考に暫定的に決めたものであり、会費だけでなく家族の加入、運営などについても会員みんなで意見を出して決定していきたい。
・個人情報を遵守するためのプライバシーポリシーを作成した。

2)参加者同士の交流(意見)

・次世代のためにも啓蒙活動が必要と認識した
・以前のこの会に参加し、検査したら肺動静脈瘻が発見され治療を受け鼻出血の量・回数が減った
・家族単位での検査の重要性が理解できた
・参加者による挨拶、病状報告などの交流ができた
・主な病状、病歴、心配事が話できた
・子供の頃から鼻出血があるがアレルギーだと言われていたが、全く違うオスラー病であった
・7歳で脳内出血
・兄弟や家族を亡くしている
・小宮山先生に手術をしてもらった
・45歳頃から鼻出血が見られ極度の貧血となり散歩中に倒れたことも
・二十歳ころから鼻出血、不便さはあるが、鉄剤さえ取ればいいんだと考え恐怖心はない。次世代のために勉強していきたい
・特に鼻出血がひどく、ヘモグロビンは平均5。最近は輸血をしている。
・親族もオスラー。小宮山先生に肺の一部を切除してもらった
・鼻出血がひどく、耳鼻科の費用も負担になっている
・先々月に脳梗塞を発症。今後、どの病院で処置してもらえばいいか悩んでいる
・42歳のときに消化管出血。その後も胃出血などがある
・オスラーと判明して出産したので今後何に気をつければいいか知りたい
・兄弟みんながオスラー病
・森崎先生のカウンセリングを受けている
・3人目を出産後に鼻出血がひどくなり、1㍑近く出ることも
・平成3年にオスラーと診断、ヘモグロビン値が3とか2になることも
・身体が慣れてきてしんどいけれど、それが普通だと思うようになった
・漢方薬を服用したら、改善が見られる。(ただし鼻の粘膜が腫れて詰まる)
・肺高血圧症を併発した
・祖父も父もオスラー病
・参加者それぞれ、症状も重症度も異なりみんなで、情報共有したい
・24年前に肺に静脈瘤がみつかりその時は一部を切除した。
・オスラー病と言われたが検索しても情報が少なくあきらめていた
・あまり徹底的に調べず母の妹が脳梗塞になったもっと、検査をさせれば良かった
・ホームページなどであてはまる事項が多く有りオスラー病と分かった
・若いころから鼻血が、出ていたが、オスラーと認定されたのは今年
・妻がオスラー。鼻血が厄介。そばで見守るしかできないのが情けないなんとか、したいと思っている
・勤務中に鼻血を出しても、ギャグのように扱われてしまう
・鼻血で遅刻することもあったが、それでも無理して働いていたら入院することになり、そこでオスラー病だと言われた
・肝臓癌の末期にする薬剤を鼻に注入したが効果がなかった
・漢方やハーブを試したり試行錯誤してる。そのうちのいくつか効果があるので、今後自分の意見として情報を提供したい
試すのは自己責任の上としてホームページに掲載して欲しい
・自分も鼻出血があるが、兄が特にひどく、お尻の皮膚を鼻に移植する置換手術をしたが効果なく、最近は週に何度も救急搬送で輸血している兄を見てると本当にツライ
・35才ころから鼻血。自分でオスラーだということを夫にも言ってない
・胃の出血でオスラーと分かった。普通の出血と違って手間取った
・鼻腔のレーザー治療はまず治らない。動脈を傷つける可能性もある
・オスラー病を知らない医者が多い
・肝臓と膵臓に血管異変がある
・鼻血が出るのでこの数年、鼻をかんだことがない
  
朝、鼻血がよく出る  8人
昼によく出る     5人
夜によく出る     7人
四六時中出る     9人 (複数回答)

3)難病申請、小児特定疾患申請について
・5月から難病医療費助成の申請手続きが開始しているが窓口が混乱している。大阪では審査結果の通知まで5ヶ月くらいかかるとの情報有り。
・各自治体の保健所が窓口である。
・18歳未満のお子さんは、小児慢性特定疾患として別に申請が必要
・認定書を申請にあたっては、申請書のほか、指定医の作成した診断書住民票、世帯の所得を確認するための書類保険証のコピーなどの書類が必要となること。
・難病指定医については各都道府県の福祉局のサイトで一覧を確認できる。
・まずは主治医に相談をし、主治医が指定医でない場合も紹介をしてもらうのがいい。
・詳しくは自治体の保健所や福祉保健局のサイトで確認を。
・申請が受理される

4)座談会に出席頂いたHHTジャパンの先生

   石黒友也先生(大阪市立総合医療センター脳血管内治療科)
   森崎裕子先生(国立循環器病研究センター研究所分子生物学部)
   西田武生先生(市立堺病院神経外科医医長)
   Dr. Michelle Letarte(トロント大学)が参加

   ・妊娠、出産についての不安
   ・遺伝子診断について
   ・脳梗塞発症の可能性
   ・輸血についての不安
   ・CT被爆について
   ・アメリカのオスラー病治療についてなどの質疑応答が行われた

5)次回の患者会予定

  2016年6月11日(土)に東京のJR東京総合病院(新宿)で開催予定です

オスラー病患者の虫歯治療に対する抗生剤服用

オスラー病患者は、肺動静脈瘻の可能性が高いので歯科治療(抜歯など)を受ける際に、注意が必要です。

万一、脳膿瘍などの重篤な症状が発症すると大変ですので患者本人・家族が注意をされて歯科治療をされますようお知らせします。

歯科医師・口腔外科医師宛に「オスラー病患者に対する抗生剤投与」のお願い文章を作成しました。

トップページから「ダウンロード」してください。

鼻出血が減少する可能性がある体験談1

患者の皆様

2ヶ月程前から鼻腔入り口付近全体に1日朝と夜に、Vaseline(ヴァセリン)を綿棒にて、塗布してみたところ出血回数・出血量が減少しました。
鼻出血場所により改善するかは不明ですが、情報としてお知らせします。
試される場合には、自己責任でお願いします。
Vaseline(ヴァセリン)は、ドラックストアーで販売されておりますし、病院で医療用の「ワセリン」を処方してもらえると思います。

なお、改善情報がありましたら「ブログ」に投稿お願いします。

「鼻出血」改善策の情報募集

オスラー病における「鼻出血」につきまして、個々で行われている改善策や服用して効果のある食品やサプリメントの情報を募集します。
少しでも症状が改善できるようになるような情報をいただければと思います。
投稿いただいた情報につきましては、事務局で確認した上で掲載の可否判断します。
事務局