オスラー病(遺伝性出血性毛細血管拡張症)は、血管が異常に拡張しやすくなる遺伝性の疾患です。この病気では、特に鼻の粘膜に多くの毛細血管が存在し、それらが破れやすくなるため、頻繁に鼻血が出ます。
オスラー病の症状は加齢により憎悪する傾向にあります。

鼻血の違い

一般の鼻血

    • 原因
      鼻の内部の毛細血管が破れることによって起こります。乾燥や外傷、鼻をかむなどの物理的な刺激が主な原因です。
    • 部位
      一般的には鼻の前方部分、キーゼルバッハ部位と呼ばれる領域で起こります。
      • 原因
        遺伝的な異常により毛細血管が拡張しやすく、非常に脆くなっています。そのため、自然出血・下を向いたり・軽い刺激でも簡単に破れて出血します。
      • 部位: キーセルバッハ、粘膜の様々な部分で起こりやすいです。

      止血方法の違い

        • 鼻をつまむ: 鼻の柔らかい部分を親指と人差し指でつまみ、10〜15分間圧迫します。
        • 前かがみになる: 血液が喉に流れ込むのを防ぐため、前かがみの姿勢を保ちます。
        • 冷やす: 鼻の周りや後頭部を冷やすことで血管を収縮させ、止血を促します。
        • 綿球を奥に入れないように入口付近に置き様子を見る。
        • 暫くしても止血できないときは綿球を少し細くして軽く押す。
          医師・看護師・救急隊員はオスラー病の鼻血について知識が乏しいため強い圧迫等を行うため患者自身がきちんと主張しないと更に酷くなります。
          過度な圧迫は逆効果になることがあります。
        • 止血薬
          止血薬(トラネキサム酸など)の処方は一般的ですので主治医に相談する。
        • 電気焼灼術・レーザー止血・鼻パッキングやガーゼ挿入
          緊急時にのみ使用し、オスラー病に詳しい医師の指導の下で行うことが推奨されます。
          緊急時以外は推奨されず止血困難など憎悪する可能性があります。
        • 医療機関の受診
          頻繁に出血する場合や、自宅での対処が難しい場合は、HHTJAPANなどオスラー病に詳しい医療機関を受診し、適切な治療を受けることが重要です。
          また、患者会に相談するなど情報収集しましょう。

        予防策

        • 保湿
          ワセリンや純蜂蜜などを鼻の入口付近に塗布することで、粘膜の乾燥を防ぎ、出血の予防に役立ちます。(※蜂蜜アレルギーに注意)
        • 適切な湿度の維持
          室内の湿度を適度に保つことも重要です。
          加湿器を使用するなどして乾燥を防ぎましょう。

        注意点

        • 出血時に前かがみになることの危険性
          オスラー病における鼻血では、前かがみになるとさらに出血が酷くなることがあります。
          このため、鼻血が出た際には、背筋を伸ばし、可能な限り鼻の血管に圧力が強くかからないようにしてください。

        自己学習と情報共有の重要性

        オスラー病は指定難病であり、この鼻血止血について認識している医師は少ないことや診療拒否誤った処置が患者にとっては大変な問題です。
        そのため、患者自身が病気について学び、対処法や予防策を理解することが非常に重要です。
        また、患者会に加入し患者同士の情報交換・共有も大変重要であり、実際の経験に基づいたアドバイスやサポートを受けることで、日常生活の質を向上させることができます。

        オスラー病患者会の活動

        オスラー病患者会では、オスラー病について詳しいHHTJAPANの医師と共に連携して活動しています。しかし、患者の症状は様々なため、患者同士の情報交換は重要です。特に、日々繰り返す鼻血については一般の鼻血と異なることが認知されていないため、患者の不安やQOL(生活の質)は厳しい状態にあります。
        患者会では日頃のケアや止血法についてメンバー同士で情報交換を行っています。

        オスラー病の鼻血は頻度が高く、止まりにくいことが多いため、日常的な予防策やHHTJAPANの専門医による管理が重要です。

        オスラー病鼻血止血の生命線であった「サージセル」などの止血材がいきなり病院の機材とされ患者は使えなくなった

        オスラー病(遺伝性出血性毛細血管拡張症)に悩む患者にとって、鼻血の止血は非常に重要です。特に、頻繁に起こる鼻血を迅速かつ効果的に止めるために、「サージセル」などの止血材は生命線とされてきました。しかし、最近ではこのような止血材が病院の機材に変更され、患者が個人的に使用できなくなるという問題が生じています。ここでは、その背景と代替手段について詳しく解説します。

        サージセルとは?

        サージセル(Surgicel)は、酸化セルロースを素材とした止血材で、外科手術などで使用されることが多いです。酸化セルロースは血液と接触するとゲル状になり、出血部位を封じ込めることで効果的に止血します。オスラー病の患者にとって、この特性は非常に有効であり、家庭での応急処置として広く使用されてきました。

        問題の背景

        最近、サージセルなどの止血材が医療機関専用の機材として分類されるようになり、患者が個人的にこれらを購入・使用することが困難になりました。これにはいくつかの理由があります:

        1. 規制の変更: 医療機器の規制が厳しくなり、一部の止血材が一般販売から除外されるようになった。
        2. 病院の管理: 止血材が病院の管理下でのみ使用されることになり、患者が自宅で使用することが制限された。

        対策と代替手段

        このような状況下で、オスラー病の患者が鼻血の止血をどのように行うべきか、いくつかの対策と代替手段を紹介します。

        1. 医師との相談

        オスラー病の詳しい主治医と相談して、最適な止血方法や代替止血材を見つけることが重要ですが現在それに変わる物(カルトスタット)は止血効果が弱い。
        医師の多くは最新の情報を持っていません。

        2. 市販の止血材の利用

        市販されている他の止血材を検討することも一つの方法です。しかし、高価で日々くり返す鼻血には経済的負担が余りに大きく使用しないため重度の貧血になる患者もいます。

        • 市販止血材料:チケア(5個入りで1800円) 使用にはコツがあるため手軽に止血できない。
        • HS-W: 傷口に貼ることで止血を助けるパッドで、薬局などで入手可能だがコツがあるため手軽に止血できない

        3. 日常的な予防策

        鼻血の頻度を減らすために、日常的な予防策も重要です:

        • 保湿: ワセリンや蜂蜜などを鼻の入口に塗ることで、粘膜の乾燥を防ぎ、出血を予防します。
        • 適切な湿度の維持: 加湿器を使用して室内の湿度を適度に保つことも効果的です。

        4. 患者同士の情報共有

        患者会に参加し患者同士で情報を共有し合うことも非常に有効です。
        最新の情報や実際に効果があった対策を共有することで、より良い対処法を見つけることができます。

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