私はオスラー病と診断されて以来、数え切れないほどの耳鼻科の診察室を訪れてきました。
これまでも何度も救急搬送の経験もしています。
毎回、診察室のドアを開ける瞬間は、不安と希望が入り混じった感情に包まれます。
医師の顔を見ると、私の病状を理解し、共感してくれる人を見つけたいという願いが心を満たします。
しかし、オスラー病の症状は一般的なものではないため、多くの耳鼻科医にとって馴染みの薄いものです。
鼻血が止まらない日々、突然の出血による恐怖、そしてそれがもたらすQOLの低下、社会生活への影響は、言葉で表現するのが難しいほどです。
ある日、激しい鼻血のためにいつもの耳鼻科を受診しようとしましたが、かかりつけ医が不在のため、他の耳鼻科を探して受診し待合室でも鼻血が止まらず、ティッシュで必死に抑えていました。
私はオスラー病専門医から「電気焼灼術、レーザー、ガーゼ止血処置」は急性期以外は避けるようにとの指示を受けていたため、その指示書を医師に渡しました。
名前を呼ばれ、診察室に入ると、医師は私の状態に驚きを隠せませんでしたが、オスラー病は良く知っているように話され、診察台に座りその医師は私の出血に対して、一度処置を試みされましたが、医師上手くいかないため止まらない出血に対し、すぐに電気焼灼術を行いました。
そして、拡張している血管を焼灼し続けられたため、私は「まだ焼灼術するのですか?」と訪ねたところ不機嫌になり「出血してるけどやめるか」と言われ怖くて何も言えませんでした。
その後も焼灼術は続き、その後止血剤を挿入し診察が終わり帰宅しました。
その数日後、かかりつけの耳鼻科を受診したところ、主治医は鼻腔内全体をきつく焼かれているので当分様子見るとの判断になりました。
鼻腔内には焼灼した瘡蓋が多数ありこれが原因で今後鼻血が憎悪する事が心配で鳴りません。
患者会のメンバーも同じように電気焼灼術をされ鼻中隔穿孔になり止血困難になる方もいるので心配でなりません。
オスラー病がいかに耳鼻科の医師に知られていないかを実感し辛い体験をました。
外出する道すがら、私は人々の視線を感じることがあります。鼻からの出血は、他人にとっては異様な光景かもしれません。
しかし、私にとっては、オスラー病と共に生きる日常の一部なのです。
私たちオスラー病患者は、ただ普通の生活を送りたいだけです。
しかし、この病気は私たちのQOLを著しく低下させ、時には精神的な苦痛をもたらします。私たちは、理解と支援を必要としています。
そして、私たちの声が、より多くの人々に届くことを願ってやみません。
理事長から一言
この事例は一例ですが、耳鼻科においてオスラー病の「鼻血」止血処置については日中であっても診療拒否されることが多く、救急で耳鼻科に行った時であっても、ほぼこのような処置(電気焼灼術・パッキング・強く圧迫・ボスミン塗布)されることがあるので、オスラー病を疑うコツと鼻出血への対応の要諦(市村 恵一 石橋総合病院)レポートを常に携行され、万一の出血に対応出来るようにして下さい。
くり返すようですが、オスラー病患者の鼻粘膜は脆いため刺激するほど周りの血管が損傷し更に酷くなることがあります。